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小嶋 拓治
放射線, 29(2), p.77 - 85, 2003/04
微細フィルタや活性炭による除去,高温下の触媒を用いた分解などの従来技術では困難である、排煙や廃水に極微量含まれる環境汚染物質の浄化には、放射線を利用した環境保全技術が有用である。ここでは、石炭燃焼火力発電所排煙からのNOやSOの除去(脱硝脱硫),焼却炉からの排出ガス中のダイオキシンの分解,換気ガス中の有害揮発性有機化合物,農業廃棄物の再利用などへの放射線の応用の例を紹介する。
小嶋 拓治
JETI, 50(13), p.17 - 21, 2002/10
電子ビームを利用して原研で行った、大気中の揮発性有機化合物の分解除去研究及びダイオキシン分解技術開発の成果を紹介するとともに、放射線以外の除去/分解技術との比較,電子ビームの説明、及び電子ビームによる分解機構などについて解説した。ここで紹介した原研の成果は、以下である。(1)塩化エチレンなどエチレン系化合物では、数kGyで指数関数的に分解し濃度減少することがわかった。また、最初の分解で生じた塩素ラジカルを引金とする連鎖が起こり、CO及びCOといった無機物にまで完全に分解出来ることを明らかにした。さらにアルカリ溶液処理と組み合わせることにより、低線量でも効率よく完全無害化できた。(2)芳香族化合物については、エチレン系とは異なり、いずれも吸収線量に対して直線的な濃度減少を示し、分解率はやや低く、粒子状物質(エアロゾル)を生じることを明らかにした。(3)実排煙に300keVの低エネルギー電子ビームを照射して行ったごみ燃焼排煙中ダイオキシンの分解試験の結果、14kGy以上で90%以上の分解率が達成できた。また、分解生成物の安全性も確認した。
須永 博美
電気学会技術報告, (895), p.61 - 62, 2002/09
パルスパワーによる放電や定常ビーム電子線を用いて石炭や石油等の燃焼排煙の脱硫,脱硝処理を行う技術に関する調査報告である。パルスパワーを用いる研究は1980年代後半から進められ、これはパルスストリーマ放電,無声放電,コロナ放電等により発生するプラズマを用いて処理を行う方法である。この放電源にパルスパワーが適用される。最近の研究では印加電圧40kV,放電電流170A,半値幅80nsという極短パルスで、発電所の石炭燃焼実ガス処理を試みた例があり、ここではエネルギー効率を向上させることにより低コスト化を目指している。一方、この排煙処理に定常ビームの電子線を利用する研究は1970年代前半から開始され、現在は実用規模試験を実施する段階になっている。この電子線法についてのこれまでの研究経過,反応メカニズム,さらに揮発性有機物やダイオキシンの処理に取り組んでいる最近の研究動向等についても述べる。
小嶋 拓治
エネルギーレビュー, 22(4), p.27 - 29, 2002/04
日本原子力研究所では、火力発電所からの排煙に含まれる硫黄酸化物及び窒素酸化物,工場の換気ガス中の有害揮発性有機物,ごみ焼却施設からの排煙中に含まれるダイオキシンなどの極微量の汚染物質を電子ビームの特長を活かして分解・除去する技術の開発を行っている。火力発電所から出る排煙の処理技術については、すでに実用化が進み、国内のみならず外国においてもその技術が活用されつつある。揮発性有機化合物については、分解挙動や粒状物質の生成などの現象を明らかにしており、実用化を目指した開発が進められている。ごみ燃焼排煙中のダイオキシンの分解に関しては、実ガスを用いた試験の結果、目的であった90%以上の分解率を達成した。このように、特に環境への拡散が防止しにくい排ガス中の汚染汚染物質に対する電子ビーム処理技術は、地上からの有害物質の削減に寄与するものとして、さらなる技術開発が期待される。
廣田 耕一
放射線と産業, (92), p.76 - 79, 2001/12
「第10回空気汚染に関する国際会議(Air Pollution 2001)」がイタリアマルケ州アンコナにおいて行われた。本稿では、各国における空気汚染の現状や対策などの紹介とともに、日本原子力研究所で行った電子ビームによる揮発性有機化合物処理に関する研究の概要を記した。電子ビーム照射した芳香族及び脂肪族化合物の分解生成物や反応に関与する活性種についての解析結果と現在行っているダイオキシン類分解試験で得られた成果について発表した。
Sun, Y.*; 箱田 照幸; Chmielewski, A. G.*; 橋本 昭司; Zimek, Z.*; Bulka, S.*; Ostapczuk, A.*; Nichipor, H.*
Proceedings of 5th International Symposium & Exhibition on Environmental Contamination in Central & Eastern Europe (CD-ROM), 6 Pages, 2000/00
揮発性有機化合物の電子ビームによる酸化分解に関する研究の一環として、水分含有空気中に含まれた1,1-ジクロロエチレン(DCE)に電子ビーム照射を行い、分解率及び分解生成物の定量を行った。また、得られた結果を基にコンピュータ反応プロセスシミュレーションを行い、分解機構の考察を行った。
箱田 照幸; 広田 耕一; 橋本 昭司
IAEA-TECDOC-1023, p.55 - 66, 1998/06
テトラクロルエチレン(PCE)や他のクロルエテン類に汚染された排ガス処理への放射線照射の可能性を検討するため、バッチ式反応容器に模擬ガスを封入し、電子線及びガンマ線を照射した。その結果、電子線では分解のG値がPCEトリクロル(TCE)トランス-ジクロル(trans-DCE)シス-ジクロル(cis-DCE)モノクロルエチレン(MCE)の順であるのに対し、ガンマ線ではPCE、TCE、trans-DCEcis-DCEMCEの順となることがわかった。また、PCEについて分解のG値への初期濃度の影響を調べた結果、電子線及びガンマ線ともに初期濃度の増加に伴って分解のG値は増加することと、電子線での値はガンマ線での値に比べて2倍程度大きいことがわかった。
広田 耕一; 箱田 照幸; 橋本 昭司
Proc. of RadTech Asia'97, p.816 - 819, 1997/00
ガス状の芳香族系揮発性有機化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン等)に電子線照射し、分解率と生成物について調べた。その結果、揮発性有機化合物は分解され、ガス状物質とエアロゾルを生成した。生成したガス状物質は主にギ酸、酢酸等の脂肪族系の有機酸の他、一酸化炭素及び二酸化炭素であることが分かった。また、エアロゾルは平均粒径をおよそ100nmとする分布をもち、炭素、水素、窒素及び酸素により構成されていた。そして、その生成には窒素酸化物が大きく関与していることが分かった。本報告では、照射前後のマスバランス(mgC/Nm)及び照射された揮発性有機化合物の構造によるエアロゾル濃度の相違の他、実際のプロセスへの応用の可能性について紹介する。